電子書籍の表紙を作った話をつらつらと書いてる最中ですが、実際にデザインを担当させていただいた本を紹介させていただきます。
この本は、中級者向けに書かれたWEBサイト構築論です。著者のa-kiさんがセミナーでお話されたことを基に書かれています。実は、a-kiさんとは昔からのWEBサイト作成仲間で、その縁でセミナーにも2回ほど参加させていただきました。
その2回のセミナーで印象的だったことがあります。参加者はWEBサイト運営1年~10年以上と、かなり幅がありました。その中で、10年以上経験がある人達からの評価が高かったのです。これはセミナー後の懇親会や参加者のブログを見ていてわかったのですが、冗談交じりで「それ以上、話さないで!」という声がチラホラありました。私もそう感じたひとりです。
個人ででも長らくWEBサイトを運営してると、その人だけが知っている経験知が貯まります。ただ、そういった経験知は言葉にするのが難しいので、経験者同士が話した時だけお互い話が通じるような状態でした。この本は、そういった言葉にしがたい経験知を、フロー・ストック情報と3つのコンテツ型という形で解説してくれています。
書かれていることを実行するのは簡単ではありませんが、サイト作りの道標になりえる内容ですので、気になったら手にとってみてください。
以下、読んだ感想とか考えたこととか。
最も重要だと感じた部分は、フロー情報だけではなく、息の長いストック情報を適切な形で提供することでオーソリティ(安定した)サイトになるということです。フロー・ストック情報、それをコンテンツとして落としこむ際の3つの型については、本の中で詳細に説明されています。
なぜ、オーソリティサイトがいいのかというと、3つの型のうち完結型・ツール型の2つのコンテンツを作ることでリピーターが増えやすくなるからです。もちろん信頼される内容というのうが前提ですが。実は、自分のブログやサイトのアクセス数が安定しているページを確認すると、この完結型・ツール型であることがほとんどなのです。
つまり本書は、信頼されるコンテツを作ることでリピーターが増える理由を明確にし、理想的なWEBサイトの形を提示してくれる本といえます。また、その過程で障害となるライバルサイトへの対処方法もランチェスター理論を軸に学ぶことができます。この視点の話は、一般的な本ではあまり見かけたことがありません。実際にトライアンドエラーを繰り返してきたから書ける内容だと思います。
ただ実行するのは簡単ではありません。3つのコンテツタイプを揃えた理想形にもっていくには、それなりの経験や労力が必要でしょう。個人でつくり上げるとしたら、1~2年かけて取り組むイメージです。そこで、本書ではミニサイトからはじめようと提案しています。
それでも大変そう、HTML面倒そうという人もいるかもしれません。そういう人には、ブログの目次作成をおすすめします。この本を読まれる人であれば、すでにブログを書かれていると思います。過去の記事の中から、ストック情報としてまとめられる記事がないか探してみるのです。
思い浮かんだら、読んで欲しい順番や簡単な解説を交えて目次を作り、それを記事としてアップします。目次からリンクした個別ページには、「目次へ戻るボタン」を付ければ即席のストック型コンテンツが出来上がります。あとはサイドバーに、その目次へのリンクを付ければ完成。これをするだけでも、ブログをストック型に寄せることできます。
いつも読んでいるブログを確認してみてください。カテゴリやTAG機能を使ってストック情報として見せる工夫があったりしないでしょうか?この本に書かれていることを読みながらチェックしてみると新しい発見があるかもしれません。
ところで、なぜWEBサイト運営の根幹にかかわるノウハウをa-kiさんは本にされたのでしょうか。そのあたりも、ミームという言葉とともにあとがきで書かれています。今回、素人仕事ながら表紙をデザインをお手伝いさせていただいたのは、この部分に共感したからです。少し大げさかもしれませんが、この電子書籍を読むことで愛されるオーソリティーサイトを作る人が増え、WEBが良い方向へ向かえばいいなと思います。
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